日本の本山葵とは、どういうもの?
日本では西暦923年の「本草和名」という日本現存最古の薬物辞典に「わさひ」が菜の部に登場します。
一般的には、1837年の「守貞漫稿」の中に、マグロサシミとコハダの間にわさびを挟んで食べたところから普及しました。当時は、寿司ではなく、和食の刺身とともに食されました。抗菌作用があり、胃がすっきりするところから好まれたのだと思います。
わさびの種類
※沢わさび(清流)と畑わさび(丘わさび)の2種類があります。
写真1 沢わさび
写真2 畑わさび(丘わさび)
写真3 わさび大根(ホースラディシュ)
わさびが生育する立地
富士山やアルプス山脈の雪解け水が清流の川や湧水となり、その豊富な水で育ったものが沢わさびです。一般的に用水路があり、畑のなかで栽培するわさびは畑わさびです。
わさびのおろし方
- わさびに付着している凸凹したりしているコブや汚れている部分を除去するため、ブラシ等で洗浄します。黒い部分はカットします。
- 茎に近い部分と根に近い部分は、色、辛味、香り、風味が異なるため、工夫しながら擦りおろしする必要があります。
- 一般的には、茎側部分から、目のきめ細かいおろし機(鮫川おろしや金物おろし器)でゆっくり円を描くようにやさしく擦りおろしますと、辛味が引き立つと言われております。力を入れずに「笑いながらする」ことも良いでしょう。おろし金を使用する場合は、アルミホイルをかぶせてから擦るとより細かくすることが出来ます。
- わさびの辛さを引き立たせるために、砂糖を入れたり、塩やレモン汁を入れたりする方法もあります。
わさびの部位の特徴
色 | 辛味 | 風味 | 水分値 | |
---|---|---|---|---|
茎側部分 | 鮮やかな緑 | 弱い | 香りが良い | みずみずしい |
先根部分 | 白っぽい | 強い | 香りは弱い | ねっとり |
上記のような特徴があるため、茎部分と先根部分を混ぜ合わせて、色や辛味を調整することが多いようです。
わさびの辛味の推移
わさびの辛味は、擦りおろし始めてから生じます。擦りおろした後に、ミロシナーぜの作用によって加水分解されて辛味の成分であるからし油に変わります。またアリルイソチオシアネートという辛味成分が徐々に生成され、辛くなっていきますが、そのピークは擦りおろし後15分であり、その後揮発して辛味成分は無くなって行き、30分後には残存しなくなります。
わさびの保存方法
冷蔵保管する場合
本わさびを冷蔵保管する場合、わさびをやや濡れたキッチンペーパーで包み、それをラップするか、通気性の包材に入れ、冷蔵庫で保管すると約1か月保存することが可能です。その際に、茎部分は劣化しますが、劣化したところまで切り落とすと良いでしょう。
冷凍保管する場合
本わさびを冷凍保管する場合は、予め擦っておいたわさびをラップに包み冷凍保管しておくと、解凍してすぐに食することが出来ます。
また、芋のまま冷凍した場合、冷凍状態のまま擦りおろして、ご使用ください。なお、解凍した状態で擦りおろしますと、ゴムのような状態になり擦ることは出来ませんので、気をつけて下さい。
わさびの利用方法
漬物として・・・ | わさび漬け~日本では、わさびに酒粕・佐藤・塩を混ぜてわさび漬けとして販売されております。 |
---|---|
調味料として・・ | 味噌わさびや梅わさび・海苔ワサビ、わさびマヨネーズなど、日本の調味料・海鮮具材にわさびを加えて野菜や具材に付けて食されております。 |
補助材として・・ | クリームチーズやスモークサーモン・バニラアイスなどに良く合うので、それらに混ぜて食することがあります。 |