わさびの用途・利用

日本人の食文化の中で、外国にはあまりみられない料理が「生で魚を食べる」-即ち刺身ではないでしょうか。
この刺身に欠かせないものがわさびです。

わさびの持つツーンとした鼻にぬける独特の辛味成分が、魚の生臭さを消してくれるとともに、味にアクセントをつけてくれるため、魚の旨さを引き立たせ食欲を増進させます。
それから、生の魚に対するわさびの殺菌効果は誰もが知るところです。
ただ、殺菌力というよりは抗菌性といったほうがしっくりきます。正しくは、菌の発育を抑制する力があるということです。
また、冷やしたざるソバをわさびの入ったつゆにちょっとつけてツルルッと一気にすする─この瞬間こそは日本人でなければ感じ得ないものの一つでしょう。
ソバのおいしい時期はその旨さを存分に引き出し、ソバの質が少しおちる夏などはその旨みを引き立ててくれる、わさびはソバにとってネギとともに欠かせない名脇役です。

わさびは薬味として食べるだけでなく、酒粕との相性ぴったりのわさび漬けをはじめ、わさびもちなど食品の添加物としても使われています。
また、現在では食中毒、特にO-157に対しての抗菌性を利用して、食中毒が発生する恐れがあるところで利用されています。