わさびのおろし方
わさびは他の根菜と同じように、根茎の先端の方の細胞が古く、茎に近い方が新しくそれだけ新鮮です。だから元の方が成分が豊富だと思われがちですが、差異はほとんどないと考えていいでしょう。
ただ言えることは、すりおろしたら、先端の方は元に比べてざらざらして粘り気が少なく、黒っぽくて固めです。だから元からするほうが賢明ですが、何回にもわたって使うときは、風味を保つ意味で先端からすりおろしてもいいでしょう。
また、根茎の表皮はヨゴレをブラシなどで軽く落とすだけでよく、皮を削る必要はありません。また、わさびはきめ細かくするほど辛味が増すといわれています。これは辛味成分(アリルからし油など)は細胞が壊れることで生成されるためです。
また、「わさびは笑いながらすれ」といわれるのは、力を入れないように細かくすれと教えたもの。
つまり、力むとキメが荒くなり粘り気も落ちるからです。
よく包丁の背で叩いたりしますが、これは叩くことで粘り気が出て辛味が増すことをねらったものですが、おろしたての場合はその必要はありません。30分や1時間過ぎたものは叩いたほうがいいです。
わさびは下ろすならサメ皮の卸し板に限るといわれますが、一般家庭ではこだわることはないと思います。なるべくキメの細かい板を使えば何製でもいいでしょう。ただ、わさびは金気を嫌うので、おろしたらすばやく陶磁器の器に移すようにします。
わさびの品質低下を防ぐ最良の方法は、なるだけ早く使いきることです。しかし高価な本わさび、そうもいきません。
冷蔵庫で保存するのが一番です。根茎を水にぬらして新聞紙でくるみラップすれば一ヶ月は保ちます。また、水を入れコップに根茎を浸す方法もあり、この場合水は毎日取り替えます。すって余ったものは、時間がたつほど香りが失せるので、保存にはむきません。なるだけ使い切る量だけするようにしてください。